なぜそうなるか

枕は家庭用品品質表示法の対象外でした——消費者庁の一覧では、枕カバーと布団が対象に、枕そのものは対象外の側に並んでいます

新しい枕を選ぶとき、多くの人は売り場の説明や箱の文字で、中の素材を確かめようとします。

衣類であれば、首の後ろや脇のタグに繊維の名前と洗い方が書かれているのが当たり前です。同じ布でできた寝具にも、同じような決まりがあると考えるのは自然なことでしょう。

ところが、手元の枕を裏返してみても、素材の割合まで書かれたタグが見当たらないことがあります。付いていても、書かれている項目は製品によってまちまちです。

この違いがどこから来るのかを知るには、表示を決めている法律が、枕をどう位置づけているかを見る必要があります。家庭用の製品の品質表示は、家庭用品品質表示法という法律が受け持っています。

そこで、この法律を所管する消費者庁のサイトから、「法律の概要」「対象品目一覧」「対象外品目一覧」「繊維製品一覧表」の4ページを開きました。枕、枕カバー、布団がそれぞれどこに書かれているかを、原文に沿って並べました。

手元の枕にどんな表示があるべきか、どの枕を選ぶべきかは、この記事では判断しません。眠りや体への効果にもふれません。

この記事でわかること
・家庭用品品質表示法は、施行令などで定めた家庭用品だけに表示を求めている
・消費者庁の「対象外品目一覧」には、枕が挙げられている
・一方で「対象品目一覧」には、枕カバーと布団が入っている
・繊維製品一覧表では、布団と枕カバーで表示する事項が違う
・読んだ4ページには、対象外の品目への表示を禁じる記述は無かった

そもそも、この法律は何のためのものなの?

家庭用品品質表示法って、どんな法律?

消費者庁は、表示の適正化を図り、一般消費者の利益を守ることを目的とした法律だと説明しています。

消費者庁の「法律の概要」のページは、冒頭で法律の目的を一文にまとめていました。

家庭用品品質表示法は、家庭用品の品質に関する表示の適正化を図り、一般消費者の利益を保護することを目的に制定されています。

大事なのは、この法律がすべての家庭用品を対象にしているわけではない点です。「対象品目一覧」のページには、次の注記があります。

施行令等で定めた家庭用品のみに表示の規制を求めております。

つまり、表示の決まりが及ぶのは、政令などで名指しされた品目だけです。名指しされていない品目は、この法律の表示の規制の外にあります。

枕は、どちらの一覧に入っているの?

枕は、表示の決まりがある品目に入っているの?

消費者庁の「対象外品目一覧」に、枕がはっきり挙がっていました。

消費者庁は、対象の一覧とは別に、対象にならない品目を五十音順に並べたページも用意しています。見出しは次のとおりです。

家庭用品品質表示法の対象外品目(一覧)五十音順

この一覧の「ま」の行に、枕が載っていました。前後にはベルト、マスク(不織布を含む)、マッサージ器具が並んでいます。枕そのものは、この法律の表示の対象外として扱われていることになります。 一方で、五十音順の「対象品目一覧」をたどると、「ま」の行の先頭に枕カバーがあり、「は」の行には布団と布団カバーが入っていました。同じ寝具でも、カバーや布団は対象、中身の枕は対象外という分かれ方です。

布団と枕カバーでは、何を表示することになっているの?

対象に入っている布団と枕カバーには、何が書かれるの?

繊維製品一覧表では、布団は繊維の組成と表示者名、枕カバーはそれに加えて家庭洗濯等取扱方法が表示事項に入っています。

消費者庁の「繊維製品一覧表」は、品目ごとに表示する事項を○と-で示した表です。表の列は「繊維の組成」「家庭洗濯等取扱方法」「はっ水性」「表示者名及び連絡先」の4つでした。

表の行を読むと、布団は「繊維の組成」と「表示者名及び連絡先」に○が付き、洗い方とはっ水性は-です。枕カバーは「ベッドスプレッド、毛布カバー及び枕カバー」という行にまとめられ、組成・洗い方・表示者名の3つに○がありました。

布団では洗い方が表示事項に入っておらず、枕カバーでは入っているという違いが、この表から読み取れます。

対象外なら、枕には何も書かれていないの?

対象外なら、素材の表示は無いものと思っていい?

今回読んだ4ページは、対象外の品目に表示をしてはいけないとは書いていません。

4ページが示しているのは、枕がこの法律の表示の規制の外にある、というところまでです。対象外の品目に素材や洗い方を書くことを禁じる記述は、4ページのどこにもありませんでした。

ただ、その場合の書き方に、この法律の決まった様式が当てはまるかどうかは、今回の4ページには出てきませんでした。表示の中身は、製品ごとに確かめる必要があります。

この記事で確認したこと

枕と家庭用品品質表示法
・この法律は、施行令などで定めた家庭用品だけに表示の規制を求めている
・消費者庁の対象外品目一覧に、枕が載っている
・対象品目一覧には、枕カバー・布団・布団カバーが入っている
・布団の表示事項は繊維の組成と表示者名、枕カバーはそれに洗い方が加わる
・読んだ4ページに、対象外の品目への表示を禁じる記述は無い

素材が気になるときは、売り場や箱の説明のほかに、メーカーの問い合わせ先に中身の素材を尋ねるのが近道です。

よくある質問

枕カバーを外した中の枕にタグが無いのは、表示漏れですか

消費者庁の対象外品目一覧には枕が載っているので、この法律の表示の義務から漏れている、という扱いにはなりません。一方のカバーは、対象品目一覧に入っています。

抱き枕やクッションも、枕と同じ扱いですか

今回読んだ一覧には、抱き枕やクッションという品目名は出てきませんでした。名前が似ていても、同じ扱いかどうかはこのページからは判断できません。気になる場合は、消費者庁の家庭用品品質表示法のページで品目名を確かめてください。

洗い方の記号は、どこで決まっているのですか

消費者庁の家庭用品品質表示法のページには、「新しい洗濯表示」という案内が別にあります。記号の読み方はそちらの案内にまとめられており、この記事では扱っていません。

通販で買った枕を返したいときの決まりは、通販で買った枕は返品できる?で、消費者庁の説明と条文を並べました。

この整理が変わる条件


出典

枕を選ぶ前に、表示の中身と販売条件を、売り場の説明と消費者庁の最新のページで確かめてください。

当方が上の出典を引いて確かめた日:

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